校長のつぶやき
No.407 小さかったら、高く跳べ
放送による終業式を行いました。スパッド・ウェブという身長168㎝のNBA選手の映像を日本のシューズメーカーがCMで使ったことがあります。そのときのキャッチコピー「小さかったら、高く跳べ」を紹介し、次のようなことを話しました。
「身長が小さいことは自分ではどうしようもないことです。でも、スパッド・ウェブ選手は、自分ではどうしようもないことを理由にあきらめる人ではありませんでした。『自分は確かに小さい。でも、それがなんだ! 小さかったら高く跳べばいい!』。そう自分を鼓舞したのではないでしょうか。スパッド・ウェブ選手は『できない理由』ではなく、『できる方法』を追求した人なのだと思います。
『こんな状況だからできない』とか『これがないからできない』とか、できないことを環境のせいにする人がいます。『満足できる状況にならないとできない』『望む環境にならないとできない』というなら、私たちにできることはほとんどないかもしれません。
自分ではどうしようもないこと、コントロールできないことを嘆くのでなく、与えられた環境の中でできることに最善を尽くす、そういう生活を送ってほしいと思っています。
生徒諸君! 小さかったら、高く跳ぼう!」
授業のある日に更新してきた「校長のつぶやき」は今日で終了となります。2年間、ありがとうございました。
〈気になる言葉〉
「『こんなに頑張ったんだから』と言い訳なんかやめよう。ガキの仕事ならともかく、大人の仕事は結果だけで判断されるのだ。評価はすべて結果次第。どんなに努力しようが、それでダメならダメなのだ。」中島孝志『大人の仕事術』主婦の友社 2004 p.25.
No.406 人生の時々の中で(3)
教員になった頃、毎月一万円分の本を買うと決めた。いわゆる「ツンドク」も多かった。が、それでも、私の血となり肉となった本も少なくない。とりわけ岸田秀との出会いは私を変えた。私の人生観・世界観にはかり知れない影響を与えたといっていい。岸田は私の「先生」である。その後もその時々の年齢に応じた「先生」との出会いがあった。
一度も会ったことがないにもかかわらず、「この人は私の『先生』だ」と勝手に決めつけている人がいる。たとえば、孔子。中国の人。しかも2500年も前の人。2500年前の中国の人だから会うわけがない。その孔子の言動を記した『論語』という本は、私の人生の教科書である。孔子は、一度も会ったことがないが、私の「先生」だ。
孔子だけではない。時代や国境を超えて私の人生に大きな影響を与えてくれた「先生」はほかにも大勢いる。そんな「先生」に出会えたのは読書のおかげ。本を読んでいろいろな「先生」を見つけることができた。
(「伊奈草創~読書案内~」令和3年7月号より)
君たちが、人生の時々の中で、自分を変えるような本に巡り合い、恋人のように思い焦がれる「先生」と出会えることを願っている。
〈気になる言葉〉
「数多くの研究で、運動があらゆる認知機能を高めてくれることがわかっています。発想力も高めてくれます。さらには記憶力や集中力もです。運動することで気分が良くなるし、睡眠の質も改善され、ストレスにも強くなります。」アンデシュ・ハンセン『最強脳』新潮新書 2021 p.4.
No.405 人生の時々の中で(2)
大学生の頃、ある教授がいった。「ドストエフスキーを読んで頭をガーンと殴られるような衝撃を受けない人間は人間じゃない」。授業を終えた帰り道、本屋に寄って『カラマーゾフの兄弟』を買った。上中下の三分冊だった。カタカナの名前が頭に入らずちんぷんかんぷん。上巻を少し読んだだけで投げ出した。「こんなのどこが面白いんだ?」と思いつつ、教授の言葉を反芻した。俺は人間じゃないのか? ショックだった。頭をガーンと殴られるような衝撃を受けた。教授の言葉はウソではなかった。ドストエフスキー、恐るべし。
〈気になる言葉〉
「失敗から見えてくることがあります。その失敗を活かすことに価値があるのです。大抵の失敗は、どうにかなります。」樋口万太郎『これから教壇に立つあなたに伝えたいこと』東洋館出版社 2021 p.110.
No.404 人生の時々の中で(1)
本校では生徒の読書感想文集『本との出会い』を年度末に発行しています。今年度の『本との出会い 第36集』の巻頭言として書いたことを3回に分けて紹介します。
小学生の頃、毎日本屋にいた。目当てはマンガである。立ち読みをしていると、不思議とトイレに行きたくなった。本のインクの匂いによって便意が催されるという説があることを知ったのは大人になってからである。
中学生の頃、国語がからきしだめだった。マンガばかりのつけがまわってきたのだろうと思い、高校生の頃、一念発起してマンガ以外の本を初めて買った。当時の大学入試でよく出題されていた夏目漱石や小林秀雄を事前に読んでおけばいい点が取れるだろうと目論んだ。が、その後の私の人生のように、思い通りにはいかなかった。
〈気になる言葉〉
「学校には『手間をかけたらかけただけ良し』という考え方があるのです。」江澤隆輔『先生も大変なんです』岩波書店 2020 p.38.
No.403 入学許可候補者説明会
明日、本校大体育館において、入学許可候補者説明会を開催します。配布物を入れるバック等を御持参くださるようお願いします。
〈気になる言葉〉
「いい人間は悪い人間の師となるから、これは大切だ、不善人は、人が善人となるための資料となるものであるからこれも大切だ、といっておられる。」諸橋轍次『孔子・老子・釈迦「三聖会談」』講談社学術文庫 1982 p.110.
No.402 人間到るところ青山あり
本来であれば、御来賓の皆様、保護者の皆様の御臨席の下で実施すべき卒業証書授与式を、卒業生と教職員のみで行うこととなりました。関係の皆様には、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
卒業生は堂々と巣立っていきました。
卒業生諸君! 人間到るところ青山あり! 健闘を祈る!
〈気になる言葉〉
「不平不満を言っている暇があるのなら、自分の仕事を改良改善して、よりよい仕事をしていく。これが給料をいただくという意味です。」井垣利英『仕事の神様が“ひいき”したくなる人の法則』致知出版社 2016 p.121.
No.401 英語スピーチコンテスト全国大会2位(2)
英語スピーチコンテストの全国大会で見事2位となった渡邉杏奈さんのコメントの後半です。
◆渡邉杏奈さん(2C・県立伊奈学園中学校出身)【英語スピーチコンテストへの挑戦】
「一連の挑戦を通して学んだことは本当に沢山あります。まずは何より、言葉の持つ偉大な力に気付かされたこと。英語に限らず、言葉には、たった5分で人の心を変える力があるのだと実感しました。また英語という言語を学ぶことで、より多くの人に自分の思いを伝えることができるということも学びました。そして、支えてくれる人がいることのありがたさ。終始あらゆる場面で私をサポートしてくださった先生方、いつも褒めてくれた優しいALT、そして、そばで応援してくれた家族や友人です。大会出場が決まったとき、心から応援してくれ、スピーチを聞きたいとさえ言ってくれた皆には感謝しかありません。
本番前は、友人の言葉が精神面で大いに私を支えてくれました。伊奈学園という恵まれた環境で、本当に素晴らしい仲間と過ごせてきたからこそ、今の私があり、そして私のスピーチもできたのだと思います。周囲の人の温かさに触れ、改めてそのありがたさを実感できたこと、それがこの挑戦の一番の収穫だと思っています。
私自身、現在は理数系で勉強をしていますが、今後も分野にとらわれず幅広い事柄に興味を持ち、挑戦し、世界を広げていければと思います。
最後となりますが、この文章をここまで読んでくださった皆さんに、何かに挑戦する勇気を少しでも与えられていたら、これほど嬉しいことはありません。そして今後もより多くの伊奈学生がスピーチコンテストに挑戦して、その素敵な声を届けてくれることを願っています。
このような場を設けてくださった校長先生、そして一連の挑戦で私を支えてくださった全ての方々に心から感謝します。本当にありがとうございました。」
〈気になる言葉〉
「人間には二つの対応に分かれることがわかってきました。自分のやりたいことを誰かに許可されるのを待っている人たちと、自分自身で許可する人たちです。」ティナ・シーリグ『20歳のときに知っておきたかったこと』阪急コミュニケーションズ 2010 p.72.
No.400 英語スピーチコンテスト全国大会2位(1)
英語スピーチコンテストの全国大会で見事2位となった渡邉杏奈さんのコメントを2回に分けて紹介します。
◆渡邉杏奈さん(2C・県立伊奈学園中学校出身)【英語スピーチコンテストへの挑戦】
「始まりは、高校2年の6月に行われた校内英語レシテーション(暗唱)コンテストでした。それはスピーチコンテストに繋がるもので、掲示を見つけた私は英語スピーチへの挑戦を決めました。緊張しいの私を動かしたのは、英語が好きだったことと、なかなか遊びにも行けないコロナ禍で、新しいことに挑戦して高校生活を充実させたいという思いでした。
自分だけのスピーチを作ることになり、ふと思い出したのは、ある日の駅での出来事。毎週水曜日に政治のチラシを配る女性から、初めてチラシを受け取ってみたことでした。意外にも学生の権利について書かれていたそのチラシを読んで、政治は私たちのためにあるとても身近なものなのだと気づかされました。政治のことをもっと気軽に友達と話せるような世の中になって欲しい。その思いをスピーチにしようと決めました。政治という難しいテーマを、どうすればみんなに受け入れてもらえるか。どうしたら楽しんで聞いてもらえるのか。先生やALTと相談しながら作り上げていきました。その過程で出たのが、納豆の話でした。
≪政治って、ちょっと納豆みたい? 納豆は臭いし、ねばねばしているし、なんか美味しくなさそう。食べたことのない人にとっては、体に良いとは言われても、なかなか手を出しにくい。だけど、そう言って好きなものだけ食べていたら、病気になってしまう。政治も同じだ。つい、話しやすいトピックばかりを友達と話してしまうけれど、私たちの『社会』の健康のために、たまには政治というトピックを話すことも大事ではないか≫
――こうしてスピーチをまとめあげました。
本番に向け練習を重ねる中では、細かい発音の修正や表現の工夫をするのが大変でしたが、徐々に自信がついていくのを感じていました。そして気づけば、校内、埼玉県、関東甲信越、そして全国へと進むことができ、最後には全国2位という結果を収めることができました。大変光栄に思うと同時に、今でも信じられない気持ちでいっぱいです。本番は、結果よりも『目の前の人たちへ私の思いを届けたい』という強い気持ちを意識して臨んでいました。」
〈気になる言葉〉
「私たちが受ける外部からの刺激でもっとも比重が大きいのが『視覚からの情報』になります。視覚からの情報量の割合は約87%と言われています。つまり、私たちの感情は『目に見えるもの』によって左右されるのです。」星渉『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』KADOKAWA 2019 p.76.
No.399 海外派遣研修
埼玉県教育委員会による令和3年度「県立高校グローバルリーダー育成プロジェクト」の報告書が学校に届きました。
全県から30名の高校生が選ばれ参加しました。本校からは、浦和第一女子高校とともに最多の4名が参加しました。
今年度のプロジェクトでは、海外派遣研修としてシンガポールでの研修を予定していましたが、コロナの関係でオンラインによる国内研修のみの実施となりました。
〈気になる言葉〉
「人生は円です。『えん』つまり『まる』。悪いときは円の一番下なのだと考えます。円は時計のようにぐるぐる回っていて、下にいた、あとは上がるだけ。円の頂点の絶好調で『時よ、止まれ』と思っても、止まってくれませんが」(福岡ソフトバンクホークス会長 王貞治)「日本経済新聞」2022年2月25日
No.398 遠足
まん延防止等重点措置が延長された状況を踏まえ、明日予定していた遠足を中止としました。楽しみにしていた生徒たちには申し訳なく思います。
授業や部活動等でも制約・制限の一部は継続され、通常の教育活動を行うという状況にはなっていません。引き続き感染予防に努めて参ります。
〈気になる言葉〉
「『忖度』そのものは、決して悪いことではない。相手の気持ちや立場を配慮することは、別に悪いことではない。むしろ、相手の気持ちや立場を配慮せず、自分の気持ちや立場のみを基準にして行動するとしたら、それは非常に自分勝手なことになるだろう。」榎本博明『「忖度」の構造』イースト新書 2017 p.77.