ブログ

校長のつぶやき

No.32 そろそろ終わりの、校長の読書日記

 『まじめすぎる君たちへ』(和田秀樹 講談社 1998)の続きです(「 」の部分は本からの引用)。

 

  本来遊ぶべき、独創性をのばすべき、自分を作るべき時期に、つまらない受験勉強をしてどうする、という見方がありますが、「思春期にまじめであることが、人格の発達やメンタルヘルスや独創性に影響を与えるというのは神話であって、全く統計的、科学的な根拠がない。(中略)もし受験勉強が独創性を奪うなら、日本人でノーベル賞をとった人がなぜ全員受験の勝者である東大、京大の出身者なのか説明がつかないだろう」と著者はいいます。

 

  著者によれば、「最近の認知心理学の考え方によれば、人間というのは、これまで記憶してきたものを材料にして考えるという。ある程度の知識がないと考えることができない」らしく、「勉強すると性格が悪くなることにはなんの根拠もない」そうです。

 

0

No.31 懲りずに、校長の読書日記

 今日紹介するのは『まじめすぎる君たちへ』(和田秀樹 講談社 1998)です。分割して掲載します(「 」の部分は本からの引用)。

 

 アメリカで急激に人気を集めている自己心理学の説によると、「人間の成長の目標は依存から自立に向かうことではなく、未熟な依存から成熟した依存に向かうことだ」。だから、「親に頼ってしまうとか、親の言いなりになるというのは、それ自体がまずいのではなく、その程度がひどければまずいというわけだ。……親の言いなりや親頼りを悩む必要はない。賢い形で親に甘えて、上手に成長していけばいいのだ」。

 

  

0

No.30 それでもやっぱり、校長の読書日記

 『常識のウソ277』(ヴァルター・クレーマー他 文春文庫 1998)の最終回です。

 

●豊かな北半球が貧しい南半球を搾取している?

 搾取とは「自分が与えている以上のものを要求すること」であり、現在の南北問題はそういう状態にはなっていない。先進諸国は世界総生産の4分の3を消費しているが、同じく4分の3を生産してもいるのである。

 

●殻が褐色の卵は白い卵より栄養価が高い?

  褐色の卵の方が品質が高いからではなく、単に数が少ないから値段が高いのである。「高かろう良かろう」では、消費者の無知につけ込む業者の思うつぼである。

 

0

No.29 それでも、校長の読書日記

 前回の『常識のウソ277』(ヴァルター・クレーマー他 文春文庫 1998)の続きです。

 

● ダイエットするとやせる?

  ダイエットすればするほど、太る。たいていのダイエット法は無駄なだけでなく逆効果なのだ。

 

●カロリーを消費するにはスポーツが一番?

  スポーツその他の肉体労働のカロリー消費量は、一般に考えられているほど多くはない。フルマラソンでさえ、その消費量は3000カロリーに満たない。これくらい、昼食と夕食で楽に取り戻せる。

 

●自然食品はヘルシー?

  自然食品だから有害物質が含まれていないと考えるのは大間違い。例えば、農家で絞ったままの牛乳はバクテリアの温床であり、スイスでは農家による牛乳の直接販売が禁止されている。

 

0

No.28 やっぱり、校長の読書日記

 今日紹介する本は、『常識のウソ277』(ヴァルター・クレーマー他 文春文庫 1998)です。下手な解説をするよりも、そのままを記す方がいいでしょう。3回に分けて紹介します。

 

●古代オリンピックの賞品は月桂冠だけだった?

  優勝者には、税金の免除、終身年金、記念碑建立などのさまざまな特典やかなりの額の賞金が与えられた。

 

●開発援助は第三世界の発展に寄与している?

  開発援助の大部分は貧困国に住んでいる金持ちの口座と腹の中に流れ込んでいる。経済成長と開発援助の相関関係はゼロに等しい。

 

●ガリレイはカトリック教会から迫害を受けた?

 カトリック教会から迫害は受けていない。ガリレイの宗教裁判は形だけのものにすぎなかった。言い渡された刑罰は、毎週、改悛七編を唱えることと禁固刑。禁固刑の方は実際には執行されず、晩年はフィレンツェ郊外で誰にも煩わされずに研究を続け、77歳で没した。

 

0

No.27 またまた、校長の読書日記

 日本人のしつけは衰退したか』(広田照幸 講談社現代新書 1999)の3回目です(「 」の部分は本からの引用)。

 

 著者によれば、「食事の時に手を洗わなくても別に親は何も言わなかったが、仕事の後で鍬を洗っておかないとひどく叱られた」とそうです。つまり“しつけ”といっても、今いわれる“しつけがなかった”という時の“しつけ”とはまったく意味が違うものだったようです。

 

0

No.26 また、校長の読書日記

 昨日の続きで『日本人のしつけは衰退したか』(広田照幸 講談社現代新書 1999)の2回目です(「 」の部分は本からの引用)。

 

 明治後半から昭和初期、「この時代には、まだ、独立の家庭教育は存在しなかった。しつけの担い手も、家族がというよりは、子供組・若者組のような同年齢集団や親族・隣人など周囲の人を含めた大きなネットワークが、全体として、しつけや人間形成の機能を果たしていた」。「家族が直面した多くの問題の中で、子供の問題は、優先順位が高くはなかった。ましてや、子供のしつけや教育の問題は、簡単に無視できる程度のものだった」。

 

 「ろくに野良仕事もしないで子供のしつけや教育に時間をかける嫁がいたら、村中の笑い者になったはずである。乳幼児の世話は一人前の労働能力を持たない老人や年長児に任せてしまうほど『つまらない仕事』でしかなかった。乳幼児期における母親とのスキンシップが大切だとも考えられていなかった」という。

 

 では、親は子どもにまったく無関心であったかというとそうではない。「庶民家族においては、『基本的生活習慣の形成』や『行儀作法』は厳しくしつけられることはなかったものの、『労働のしつけ』は厳しくなされた」らしい。

 

0

No.25 新々・校長の読書日記

 今日紹介する本は、『日本人のしつけは衰退したか』(広田照幸 講談社現代新書 1999)です。何回かに分けて紹介します(「 」の部分は本からの引用)。

 

 次の1~4、そのとおり! と思っていましたが、違うようです。

 

 1 家庭の教育力は低下している。

 2 昔の家庭はしつけが厳しかった。

 3 最近はしつけに無関心な親が増加している。

 4 家庭は外部の教育機関、特に学校にしつけを依存するようになってきている。

 

 実は、広田も、「世間の常識に沿って、『家庭のしつけはダメになっているし、親たちはしつけを学校任せにするようになってきている』と、すっかり信じ込んでいた」。しかし、ふとしたことからこの常識に疑問を持ち、常識の問い直し作業を始めた、といいます。そして、意外な事実を紹介してくれます。

 

 意外な事実とは……。この続きは、もったいぶって次回以降に。乞うご期待。

 

0

No.24 新・校長の読書日記

 吾輩は猫である。1932年(昭和7年)、海軍の青年将校を中心とする反乱事件が起きた。有名な5.15事件である。そんな大事件があった今日紹介するのは、『ホームレス中学生』(田村裕幻 冬舎よしもと文庫 2010)である(「 」の部分は本からの引用)。 

 

 13歳のときに父親が家族の解散宣言をする。その後の極貧生活を紹介している。公園で「ダンボールを食べてたこともあった」という。著者はお笑い芸人であるからか、おもしろおかしく紹介しているが、中学2年生がひとり公園で過ごすというのは尋常ではない。 

 空腹に限界を感じたある日、「コンビニのパン売り場の前に行き、よだれを垂らした」。「こんなに腹が減っているのだから一個ぐらい盗ったってバチは当たらないだろうと、いけない考えが浮かんできた」。結局、パンに手を出すことはなかった。それは、亡くなった母親の顔が浮かんだからだという。

 「もしお母さんが見ていて、そんなことをしようとしていると知ったら、どんな顔をするだろうか。それを考えると、とても盗む気にはなれなかった」という著者は、「あの日、もしパンを盗んでいたら、僕の人生がどうなっていたかを考えると、ぞっとする。お母さんが止めてくれた。お母さんが守ってくれた。お母さんが見ていてくれた。こんなに離れていても、まだ僕を救ってくれたお母さんに会いたくて仕方が無かった」と述懐している。

 

0

No.23 続々・校長の読書日記

 吾輩は猫である。1796年のこの日、イギリスの外科医ジェンナーが初めて種痘の接種に成功したことから、種痘記念日というらしい。吾輩の大叔父を有名にしてくれた恩人・夏目漱石は、種痘(天然痘の予防接種)によって顔に「痘痕」が残り、それがコンプレックスになったといわれているそうな。 

 さて、前回の『未来のきみが待つ場所へ』(宮本延春 講談社 2006)の続きである(「 」の部分は本からの引用)。 

 

 小学校の頃から卑劣ないじめを受け続け、自殺を試みたことまである。だから、「いじめを苦に自殺する人の気持ちも痛いほどにわかる」。しかし、いや、だからこそ、著者はいう。「もしいま、いじめに苦しんでいる人がいたら、絶対に死を選ばないでください。勇気を持って大人に自分の気持ちを話し、気持ちを伝えてください。苦しい気持ちを打ち明けてください。きみが死ぬ必要はないのです。きみの味方は必ずいます。(中略)きみの未来には、まだまだすてきなことが待っているのです。それをあきらめないでください」。

 

 

0